VMware の仮想マシンに Windows11 をインストールしてみる
Windows11 に対応 VMware Workstation 17 Player
かねてからお世話になってました 無償版の VMware Workstation 16 では Windows 11 のハードウェア要件である「TPM2.0」の対応がなく、仮想マシンにインストールすることができませんでした。有償の Pro では対応していたらしいのですが手元になかったのでこちらも使うことができませんでした。
それから月日が経ち 2022年11月に公開された 無償版 VMware Workstation 17 で「TPM」に対応したことにより、遂に Windows11 を仮想マシンにインストールすることができました。備忘録を兼ねてインストール方法を整理しておきます。
VMware Player のダウンロードとインストール
VMware Workstation 17 Player のWindows用インストーラーを VMware のサイト からダウンロードします。
ダウンロードしたインストーラーを起動します。表示されたウィザード画面に従い「次へ」進みインストールを完了してください。2023年04月25日現在のVMware Workstation Playerの最新バージョンは17.0.1 でした。
VMwareを始めて起動すると、次の画面が表示されます。今回は評価目的なので「非営利目的でVMware Workstation 17 Playerを無償で使用する」を選択し、「続行」ボタンをクリックします。
Winsows 11 の「ディスクイメージ(ISO)」を ダウンロード
マイクロソフトのサイト にて、「Windows 11 ディスク イメージ (ISO) をダウンロードする」にある「ダウンロードを選択」リストから「Windows 11(multi-edition ISO)」を選択し「ダウンロード」ボタンをクリックします。
「製品の言語」を選択し「確認」ボタンをクリック「64-bit ダウンロード」ボタンをクリックするとダウンロードが始まります。ダウンロードファイルは5GB以上ありました。
VMware の新規仮想マシンの作成
VMwareを起動し「新規仮想マシンの作成」を選択します。
ゲストOSのインストール元は「インストーラディスクイメージファイル(M)(iso)」を選択し、ISOファイルを保存しているパスを入力します。
仮想マシンの名前を入力します。
「TPM(Trusted Platform Module)」の設定
VMware Workstation 17 で設定できるようになった、暗号化タイプとパスワードを設定します。暗号化タイプはデフォルトでは「TPMのサポートに必要なファイルのみが暗号化されます」が選択状態なのでそのままにしておき、任意のパスワードを入力します。「認証情報マネージャでこのマシンのパスワードを記憶する」にチェックを入れていたら毎回仮想マシンの起動時にパスワードを入力する必要はないですが、仮想マシンを移動する際には必要になるそうなのでパスワードは忘れなく。
ハードディスクのサイズを入力します。今回はデフォルトの、「64.0」GB のままとし、「仮想ディスクを単一ファイルとして格納」を選択しました。「次へ」進みます。
問題なければ「完了」で新規仮想マシンの作成準備を完了します。
ディスクの作成が終わるとWindows11のインストールに移ります。
Windows11 のインストール
画面に「Press any Key to boot from CD or DVD…」と表示されたら、表示されている間に何かのキー「Enter」キーなど を押します。
キーを押すのが遅いと「Time out.」と表示され、またしばらく待つとBIOSのセットアップ画面に移ります。こうなった場合はVMwareのツールメニュー「Player」-「パワー」-「ゲストを再起動」で再度チャレンジしましょう。
Windowsセットアップウィザードが始まります。インストールする言語等を選択し「次へ」。このあたりは Windows10 と変わりありません。
今回は評価目的の一時使用なのでライセンスは購入していません。「プロダクトキーがありません」をクリックします。
インストールするOSを選択します。今回は「Windows 11 Pro」を選択し「次へ」
同意して「次へ」
新規インストールなので「カスタム Windowsのみをインストールする」を選択します。
ドライブのパーティションを割当てるなら設定します。今回はそのまま「次へ」
地域を選択し「はい」。
キーボードはデフォルトのまま「はい」。
任意のコンピュータ名を入力し「次へ」。
「個人用に設定」か「職場または学校用に設定する」かを選択します。
Windows 11 Home/Proでは、サインインアカウントとして Microsoft アカウントがデフォルトとなっています。ここで「個人用に設定」を選択し進めた場合、このあと Microsoft アカウントの設定を行わないと先に進むことができません。(ちなみに Windows10 には「オフライン アカウント」の設定が可能でした)
もし、ローカルアカウントを使いたい場合
Windows 11 Pro の場合は「職場または学校用に設定する」を選択して先に進みます。
Windows 11 Home の場合は あるコマンドを実行しレジストリを変更したのち、ネットワーク接続を切断しなければならないそうです。
→ @IT Windows 11 Home/ProをMicrosoftアカウントではなくローカルアカウントで設定する裏技
評価目的でインストールしていますので Microsoft アカウントを作成するのは少々面倒なため、ここではローカルアカウントを使えるよう「職場または学校用に設定する」を選択し「次へ」進みます。
Microsoft アカウント追加画面で「サインインオプション」を選択
「代わりにドメインに参加する」を選択。(Windows 11 Home では選択肢がないので選択することができません。)
ローカルアカウントのユーザー名を入力します。
ローカルアカウントのパスワードを入力します。パスワードなしも可
セキュリティの質問とその答えを3つ入力します。
デバイスのプライバシー設定では、不要な機能を「いいえ」としました。これらは後からでも変更できます。
もう少しの辛抱です。
Windows11のインストール完了です。
VMware Tools のインストール
VMwareのツールメニュー「Player」-「管理」-「VMware Tools のインストール」から「VMware Tools」をインストールします。
「VMware Tools」を入れることでマウスの動きやパフォーマンスが向上します。
インストーラーは仮想のDVDドライブにマウントされています。「setup64.exe」を実行してください。
インストールウィザードは「次へ」で進めて完了します。インストール後OSの再起動を行います。
Windows11 のインストール完了後、システム要件チェック
Windows11 のインストールは無事成功しました。では、仮想マシンではハードウェア構成がどのように認識されているのか、Windows 11公式サイト から「PC正常性チェックアプリ」をダウンロード&インストールし確かめてみましょう。
今回 VMware Workstation 17 Player をインストールしたホスト(親)のOSは Windows10 で、このPCは セキュアブート、TPM2.0、プロセッサはサポート対象外と、 Windows11 システム要件を全く満たしていません。
では、先ほどインストールが完了した仮想マシンの Windows11 でも「PC正常性チェックアプリ」をインストールして確認してみます。
- このPCはセキュアブートをサポートしています。
- このPCはTPM2.0が有効になっています。
- システムメモリ 4GB
- システムディスク 64GB
- プロセッサに2つ以上のコア
上記の項目は Windows11 のシステム要件をしっかりと満たしていますが
- プロセッサは現在Windows11 でサポートされていません。
ホスト(親)のCPUが古いのは仮想マシンでも誤魔化すことができないようでした。しかしインストールはアラートが出ることなく何も支障は無かったです。システム動作も触った感じでは特に問題を感じません。
お疲れ様でした。
Windows10 と同じく、インストールから30日間であればライセンス認証を行わなくとも制限を受けずに Windows11 を使用することができますが、それを超えると、「Windowsのライセンス認証」という透かしが画面に表示されます。Windows設定の一部の個人用設定機能(壁紙やテーマなど)に制限がかかります。
ライセンス違反のない範囲で利用させてもらいましょう。