夢の美容室経営【開業】③☆彡
【青色申告承認申請書】を提出するメリットとは?
夢の美容室経営【開業】③☆彡では、【青色申告承認申請書】を提出するメリットとは?を説明していこうと思います🤗
【青色申告承認申請書】
【青色申告承認申請書】を提出するメリットとは税務上の優遇措置を受ける事です。個人事業主になったら、「個人事業の開廃業等届出書」とあわせて「所得税の青色申告承認申請書」を提出しましょう。青色申告承認申請書を提出すれば、税務上の優遇措置を受けられます。青色申告の対象者(青色申告承認申請書を提出できる人)は、「事業所得」、「不動産所得」、「山林所得」を得るような事業・業務をする人となります。(非居住者の場合は、国内業務のみ対象)
青色申告の対象者となる人は、「どこの会社にも属さない個人事業主」だけではありません。サラリーマンやパートなどの給与所得者、学生、年金受給者などであっても「事業所得」、「不動産所得」、「山林所得」があれば、その方々も対象となります。
ただし、青色申告するには、複式簿記※による帳簿を作成することが条件となっています。提出する場合は、「青色申告書による申告」をしようとする年の3月15日まで、もしくは、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合には、その事業開始等の日から2ヶ月以内に提出する必要があります。
※複式簿記とは「複式」とあるように、取引を複数の科目で記載する方法です。
例)10月8日に電気代を10,000円、現金で支払った場合
10月8日 電気代 10,000円 / 現金 10,000円
借方(左側)に「電気代」、貸方(右側)に「現金」というように複数の科目で記帳されています。これが複式簿記の記帳方法です。複式簿記では、左側を「借方(かりかた)」、右側を「貸方(かしかた)」と呼びます。「借方」か「貸方」のどちらかに、「現金」や「借入金」などの勘定科目が使用されていますが、これが複式簿記の特徴であり、取引の結果として財政状態がどのように変化したのか(現金や借金がいくら減ったのか、増えたのかなど)を簿記によって表すことが可能になるのです。
では、単式簿記とは?・・・「単式」とあるように取引を1つの勘定科目に絞って記載する方法です。先程と同じ例で記載してみると・・・
10月8日に電気代を10,000円、現金で支払った場合
10月8日 支出 電気代 10,000円
このような形で記帳を繰り返し行い、収入の合計から支出の合計を引けば、手許の現金がいくら増えたのか、減ったのかがわかる仕組みです。とても簡単なのでわかりやすく、複雑な簿記の知識がなくとも計算できるのが特徴です。
誰でもすぐにはじめられるので、開業から間もない場合や取引が多くない場合には、単式簿記で記帳するのもよいでしょう。しかし、単式簿記は、基本的には現金の増減を把握して記帳を行っていくため、その結果としての財政状態(現金や借金などの残高)がわからないという欠点があります。
先ほどの例でいうと、電気代が支払われ、現金が10,000円減少したということは記録されますが、その結果として例えば現金が990,000円になった、という情報はわかりません。
また、仮に借金で100,000円借りた場合なども、収入として把握しますが、その結果として現時点で借入金残高がいくらになった、という情報はわかりません。このように、入出金だけを把握する単式簿記では、十分な報告を行うための情報提供ができないため、その欠点を補うために用いられるのが複式簿記です。
青色申告のメリットとは?
個人事業主が青色申告者になると、①「青色申告特別控除」、②「青色事業専従者給与控除」、③「事業損失の3年間繰越控除」、④「少額減価償却資産の特例」、⑤「貸倒引当金の設定」などの税制上の優遇措置を受けることができます。
①「青色申告特別控除」
「青色申告特別控除」は、”65万円” または “10万円” の控除を受けることができる制度です。65万円の控除を受けるためには、次の条件を満たす必要があります。
【 65万円控除 の条件 】
- 不動産所得(注1)又は 事業所得に該当する事業を営む青色申告者であること
- 現金主義でないこと(⇒ 発生主義会計であること) ※現金主義によることを選択している人は、65万円の青色申告特別控除を受けることはできません。
- 複式簿記による記帳を行っていること
- その記帳に基づいて作成した損益計算書と貸借対照表を確定申告書に添付すること
- その書類を法定申告期限内に提出すること
以上の条件を満たせば、所得を65万円も控除できる(65万円少ない所得と同じ扱いになれる)のです。青色申告特別控除の具体的な適用条件、注意事項、税額控除の計算方法、その他 留意事項 等は、夢の美容室経営【開業】④☆彡で説明しようと思います。
②「青色事業専従者給与控除」
青色申告者が「青色事業専従者給与に関する届出書」をに提出することにより、同じ生計の 配偶者(ご主人/奥様)と 親族(祖父母/子供の15歳未満を除く) の給与分を全額必要経費とすることができます。ただし、これは 「青色事業専従者給与額を算入しようとする年の3月15日」までか、もしくは 「その年の1月16日以後に事業専従者を有することとなった場合には、その日から2か月以内」 までに税務署に届け出る必要があります。青色申告の届出とは別の用紙を使って提出します。
③「事業損失の3年間繰越控除」
その年の赤字を確定申告で損失申告することによって、その赤字を向こう3年以内に出る所得と差し引くことができるものです。「開業して2~3年間は赤字が出たが、その後は黒字になった」という場合が該当します。また、前年も青色申告をしている場合で、本年度に赤字が出た場合は、本年度の損失額を前年の所得金額から差し引いて「前年分の所得税の還付」を受けることも可能です。
④「少額減価償却資産の損金算入」
白色申告者の場合、パソコン、机などの資産的価値のあるものを「経費(消耗品費)」として計上できる金額は、10万円未満となっています。(10万円以上の資産は、一旦固定資産で計上、減価償却して複数年で費用に計上)しかし、青色申告者なら、30万円未満の少額減価償却資産までなら、購入・使用開始したその年に全額を費用計上できます。(少額減価償却資産の特例)これにより、その年に使った購入費をそのまま費用計上できます。
⑤「貸倒引当金の設定」
青色申告者なら、貸倒引当金を設定して、ちょっぴり得することができます。つまり、貸倒引当金繰入額を費用計上することができるため、貸倒引当金を設定した初めての年度は、事業所得の金額を少なく申告することができます。ただし、次年度以降は、前年の繰入額を「貸倒引当金戻入額」として戻し入れ計上し(利益計上)、また今年度の「貸倒引当金繰入額」を新たに費用計上します。
例えば、昨年の貸倒引当金繰入額を「-100円」として損金計上したら、その年は利益が100円減り、課税される額も減ります。 しかし、翌年は戻し入れ額として「+100円」の利益を計上することになり、その一方で今年また新たに繰入額を「-90円(仮)」計上するという形になります。
つまり、今年は戻入額「+100円」と繰入額「-90円(仮)」となり、差額はほとんどなくなりますので、次年度以降は税務上のメリットは少なくなります。貸倒引当金の本来の趣旨は、「税務上のメリット」ではなく、「不測の損害に備えるためのもの」であるため、初年度だけしかメリットを受けれないという点もあります。
「事業所得」って何?
青色申告や白色申告といった「確定申告」の計算で登場してくる「事業所得」の意味について簡単に説明してみます。
まず、 事業所得 の「事業」とは、小売業、卸売業、サービス業、製造業、農林漁業など、いわゆる商売全般のことを指します。「所得」とは、収入から経費を差し引いた差額(利益相当額)のことをいいます。つまり、事業所得とは、各種商売で得られる収入から、その事業を運営する上で支払った諸経費を差し引いて、手元に残った額のことです。屋台の焼き鳥屋、店舗、ネットショップ、フリーランス、SOHOなど、様々な商売等の事業収入から、「水道光熱費、家賃、消耗品費、一定の範囲内の従業員給与」などの経費を差し引いた「個人事業主の取り分」が、まさにこの事業所得となります。
ちなみに、事業主の取り分は「給与」という扱いにはなりません(必要経費とはならない)ので、「事業所得」となります。(課税対象になります)
【参考リンク】
- 国税庁「青色申告制度」
- 国税庁「所得税の青色申告承認申請手続」(申請用紙あり)
- 国税庁「青色事業専従者給与と事業専従者控除」
- 国税庁「青色事業専従者給与に関する届出手続」(申請用紙あり)
- 国税庁「事業所得の課税のしくみ」
- 国税庁「減価償却のあらまし」(20万・30万未満の減価償却資産の記載あり)
青色申告特別控除の具体的な適用条件、注意事項、税額控除の計算方法、その他 留意事項 等は、夢の美容室経営【開業】④☆彡で説明しようと思います🤗✨